ATARIMAE戦略
『Visual branding』
「ビジュアルブランディング」とは、視覚的な表現を通じて企業やサービスの価値を的確に伝え、見る人の心に強く印象を残すための、戦略的なマネジメント手法です。ただ「美しい映像」や「目を引くデザイン」を作るだけではありません。結果を出すための“道具”として、映像やデザインに意味と一貫性を持たせ、ブランドの世界観や想いを確実に伝えることが目的です。
例えば、日常の中で私たちは無数の広告に囲まれて生活しています。バスの車内、駅のホーム、街角のディスプレイ、SNSのフィード、あるいはYouTubeの動画広告…。
そうした情報の波に触れる中で、ほとんどのものは通り過ぎていきます。しかし、時に思わず目を留め、二度見し、なぜか記憶に残る広告や映像があります。そうしたコンテンツには、視覚の力で心を動かす「ビジュアルの強さ」があるのです。
この“視覚による印象づけ”を計画的に活用し、チラシやパンフレット、Webサイト、SNS投稿、動画など、あらゆる媒体において統一感を持たせていくことが「ブランディング」の本質です。表現に一貫性があればあるほど、ブランドイメージは強固なものになりターゲットの記憶に深く根を下ろします。
そして、動画・映像の活用はその中でも特に力強い手法です。音・動き・空気感までも伝えることができる映像表現は、まさに「ビジュアルブランディング」の集大成とも言えるでしょう。見る人の心をつかみ、共感を生み、行動へと導く。そんな影響力のあるブランド作りを目指すうえで、映像は単なるプロモーション手段ではなく、戦略の核として活用されるべきコンテンツです。
インタビュー戦略
『映像の品質』────企業の信頼と未来を左右する重要な要素
求職者や転職希望者が企業を選ぶ際、ホームページや求人票だけではなく、近年ますます重視されているのが「企業PR動画」の存在です。
とりわけ、インタビュー形式を取り入れた映像は、その企業の空気感や人間関係、価値観までも伝えることができる重要なツールとなっています。こうした映像において、「品質」は単なる映像の綺麗さや技術力の問題ではありません。その映像が企業の理念や働く人々の想いを的確に、そして誠実に伝わっているかどうか。映像のクオリティは、視聴者の無意識のうちにそのまま「企業そのものの品質」として受け取られます。雑に作られた映像や、意図の見えない内容では、かえって信頼を損ねてしまうことさえあるのです。
よくあるのが、企業側の「とりあえず作っておきたい」という想いから、アピールポイントを明確にせず、目的もゴールもあいまいなまま制作されてしまうケースです。そのような映像では、本質的な魅力が伝わらず、見る人の心に響くこともありません。
結果として、企業のイメージアップにも、優秀な人材の獲得にもつながらず、最悪の場合はミスマッチや誤解を招く要因になってしまう恐れすらあります。
だからこそ私たちは、業種や職種ごとに求められる“らしさ”や価値を丁寧に掘り下げ、企業の魅力が真っすぐに伝わる映像制作を心がけています。
入念なリサーチを行い、「求職者がどんなことに不安を抱えているのか」「どんな視点で企業を見ているのか」を徹底的に洗い出します。大切なのは、求職者の中にある「わからない」「想像できない」といった不安の芽を、どこまで丁寧に取り除けるか。そして、その企業で働く未来が自然に想像できるような構成をどう組み立てるか。
私たちは、そうした視点を持って映像に落とし込み、「ここで働きたい」「この会社で働く人に会ってみたい」と思ってもらえるような、“伝わる品質”を備えた映像を制作しています。
『意識と本音』────企業が伝えたいこと、求職者・転職者が知りたいことのすれ違い
企業が発信する情報と、求職者・転職者が本当に知りたいこと。この両者の間には、しばしば“意識と本音”のズレが生じています。
例えば企業側は、理念や成長性、制度などを中心にアピールしますが、求職者が気になっているのはもっと身近でリアルな部分です。
• 自分の志向と、その組織の雰囲気は合っているのか
• 入社後、実際にどんな仕事を任され、どんな日常が待っているのか
• 自分の意見やアイデアがきちんと受け入れられ、挑戦や成長が許される環境なのか
• やりがいを感じる仕事をしても、それがきちんと評価につながるのか
このような“働く人のリアルな本音”は、求人票や採用ページだけではなかなか伝えきれません。文章だけで想像し、判断するには限界があります。だからこそ、映像という手段が有効なのです。
映像には、「見る」だけで直感的に情報を理解できる力があります。
登場人物の表情、職場の空気感、仕事風景のリアリティ、そうした“生きた情報”を伝えることで、難しい説明文では伝えられないニュアンスや感覚を、視聴者に自然に届けることができます。
つまり、企業が本当に伝えたい想いや価値を、押しつけにならず丁寧に届けることができる。そして、求職者が知りたいことを、ストレスなく、しかも深く理解できる。その両方を叶えるのが、映像の持つチカラです。
「こんな人たちと働くんだ」「こういう価値観が根づいている会社なんだ」と、言葉よりも明確に“空気”を伝えられることこそ、これからの採用活動において重要なポイントになってきます。
『理想と現実』────ミスマッチを防ぎ、長く働ける未来のために
企業がどれだけ優秀な人材を採用できたとしても、その人が1年以内に離職してしまうようでは、双方にとって大きな損失です。
その背景には、さまざまな“理想と現実のギャップ”が潜んでいます。
例えば、
・実際の業務が想像以上に危険だった、あるいは体力的に厳しかった
・思っていたより収入が伸びず、将来への不安が膨らんだ
・待遇面や職場環境が説明と違っていた
・社内の人間関係になじめず、孤立してしまった
・仕事に対する考え方や働き方が、自分の価値観と大きくズレていた
こうした理由から、入社からわずか1ヶ月〜1年以内に退職を選ぶケースは少なくありません。
問題は、その多くが「事前に知ることができていれば防げたギャップ」だということです。
だからこそ、私たちは映像を通じて「企業全体の姿」だけではなく、“一人ひとりのリアル”にしっかりとフォーカスすることが大切だと考えています。かつては不安を抱えて入社した新入社員が今どのように感じているのか?どんな葛藤を乗り越え、どのようなやりがいや成長を見出しているのか?その“個の声”にこそ、これから働こうとする人々が知りたい真実が詰まっています。
視聴者が「自分がこの職場にいたらどう感じるか?」と想像できるような、リアリティのある構成とストーリー。その映像を通じて、不安を少しでも取り除き、納得と安心を持って新たな一歩を踏み出してもらう。それこそが、私たちが映像づくりの中で重視しているテーマです。「イメージと違った」「思っていたのと違った」というギャップを事前に埋めることができれば、入社後のミスマッチを減らし、結果として企業と人材のより良い関係を築くことができます。
“リアルを伝えること”は、採用の効率化や離職率の改善に直結する重要な取り組みです。
これらの要素は、確かに採用や広報において“当たり前”とも言える基本的な戦略です。
しかし、本当に成果に結びつけるためには「どれだけ深く向き合い、どこまで本質を掘り下げられるか」が勝負になります。
表面的に並べるだけではどれだけ映像が美しくても印象には残りません。大切なのは、その当たり前のひとつひとつに対して、どこまで真剣に思考し、丁寧に形にできるか。そこにこそ、他とは違う“伝わる映像”を生み出す力があります。